サンマ道を歩く

秋になった。道を歩いていると、秋刀魚の焼けている匂いがするので、秋刀魚のことを色々考えてた。俺は脂が乗り切った時期の秋刀魚が好きで、大根おろしとスダチをつけて、塩で食うのが好きなんだけど、はたとシラスのことを思い出してブルーになってた。シラスてのはバカな頃の白い集団の魚子供なんだけど、あれはアジとかサバとかイワシとか秋刀魚とかで出来てる。中にはシャコの幼生とかカニの幼生なんかもいたりするけど、集団の構成要素の大半はアジとかサバとかイワシとか秋刀魚…という認識でよろしいです。
ところで俺はちっちゃいころに、輪廻転生ていう概念を知って、それ以来…そう…それ以来は、シラスを見ては心臓を叩きながら打ち震えて泣いてた。輪廻転生てのはどういう考え方かというと、地球の上の魂の数は一定です、だからなんかが死ぬとなんかが生まれるだろ、みたいな考え方です。
俺がシラス食うと、口の中から魂が上にバビュン、バビュン、みたいな感じでどんどん天に打ちあがっていって、天からヒョロヒョロした青白い光が世界に落ちていってアフリカの子供が生まれたり、ヌーの大群が生まれたりしてるのか、そしてヌーが大河を渡るとき!濁流とワニには気をつけろ!!とか思ったら責任重大すぎて食えなくなった。
それとは関係なく俺はあんまり美味しくなさそうに生の魚を撮るのが好きです。写真は魂を奪うみたいな感じの、いま写真を撮られたことによって魚死んだみたいな写真が沢山撮れる。誰もわからない趣味みたいなのを2,3持っておくのも楽しいことだと思うぞ!!!